ムハンマド皇太子が進める「ビジョン2030」はどうなるのか!?

 

 約1カ月前の2018年8月22日、『ロイター』は「サウジ、IPO(株式公開)中止」を報じた
翌日、サウジアラビア(以下サウジ)側は否定したが、28日にはさらに『ロイター』が独占情報として「サルマーン国王が中止を最終決定」したと伝えた

 これらの動きは、読者の皆さんの記憶にも新しいところだろう。

 その後、サウジ側からは何ら公式説明はない。

 ところが、東京時間の9月23日(月)13:30ごろ『フィナンシャル・タイムズ』(FT)が報じている記事の中で、「サウジアラムコ」のアミン・H.ナサールCEO(最高経営責任者)が、「サウジ政府はいまだにIPOをコミットしているが、『サウジアラムコ』が『サウジ基礎産業公社(SABIC)』の株式70%を購入することになったため、IPOはその後にせざるを得なくなった、だからIPO実行には時間がかかる」と発言しているのを見て、何とまあ優秀なテクノクラートなのだろうか、と感じ入ってしまった。公的には「IPO実行」維持を表明しつつ、実質的には「中止」であることを伝えているのだ。

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