「サウジアラムコ」IPOは「後まわし」という「実質中止宣言」

執筆者:岩瀬昇 2018年9月27日
エリア: 中東
ムハンマド皇太子が進める「ビジョン2030」はどうなるのか!?

 

 約1カ月前の2018年8月22日、『ロイター』は「サウジ、IPO(株式公開)中止」を報じた
翌日、サウジアラビア(以下サウジ)側は否定したが、28日にはさらに『ロイター』が独占情報として「サルマーン国王が中止を最終決定」したと伝えた

 これらの動きは、読者の皆さんの記憶にも新しいところだろう。

 その後、サウジ側からは何ら公式説明はない。

 ところが、東京時間の9月23日(月)13:30ごろ『フィナンシャル・タイムズ』(FT)が報じている記事の中で、「サウジアラムコ」のアミン・H.ナサールCEO(最高経営責任者)が、「サウジ政府はいまだにIPOをコミットしているが、『サウジアラムコ』が『サウジ基礎産業公社(SABIC)』の株式70%を購入することになったため、IPOはその後にせざるを得なくなった、だからIPO実行には時間がかかる」と発言しているのを見て、何とまあ優秀なテクノクラートなのだろうか、と感じ入ってしまった。公的には「IPO実行」維持を表明しつつ、実質的には「中止」であることを伝えているのだ。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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