岩瀬昇のエネルギー通信 (367)

CCSで島国日本の「不利な現実」に出口はあるか

執筆者:岩瀬昇 2021年8月2日
タグ: 日本
エリア: オセアニア その他
独ブランデンブルク州にあるスウェーデン「バッテンフォール」社のCCS施設(2011年撮影) ⓒ EPA=時事
CO2を地下の地層などに圧入する「CCS」は、カーボンニュートラル(2050年排出ネットゼロ)実現の切り札と期待される。だがCO2の輸送や貯蔵面での課題解決が前提な上、日本にとっては「適地」がないという大きな問題も明らかだ。枯渇した油田・ガス田という「適地」を持つ産油国の今後の動きに注目だ。

「枯渇した油ガス田が将来、資産価値の高いアセットになるかもしれないな」

Monster problem: Gorgon project is a test case for carbon capture」と題する『フィナンシャル・タイムズ』(FT=2021年7月26日)の記事を読みながら、元上司が呟いていた言葉を不意に思い出していた。

 タイ国エネルギー省高官との面談等を終えた夜のナイトキャップを楽しみながら、翌朝帰国予定のK社長がポツンと洩らされたのだ。前後の文脈は覚えていない。時は2007年、バンコク中心部「スコタイホテル」のバーラウンジでのことだった。

カテゴリ: 環境・エネルギー
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執筆者プロフィール
岩瀬昇 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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