岩瀬昇のエネルギー通信 (365)

米シェール企業「巨額のヘッジ損失」で陥りがちな「誤解」とは

執筆者:岩瀬昇 2021年7月11日
エリア: 北米
シェール企業が増産に動かないため、OPECプラスは高値を享受できている  (写真は米カリフォルニア州のシェールオイル・ガス採掘施設)  ©︎AFP=時事
2020年春の油価暴落後、21年受渡しの先物でヘッジした米シェール企業が軒並み巨額損失を出している。ただし、それを業績の悪化と理解するのは早計だ。一方、サウジとUAEの対立で暗礁に乗り上げたOPECプラスは、協議再開の目処が立たない。

 米シェール企業の多くが巨額のヘッジ損失を出している、と『フィナンシャル・タイムズ』(FT)が報じている(2021年7月8日「OPEC ‘gets a pass to lift oil price’ as hedging losses hobbled US shale」)。だから「OPEC」(石油輸出国機構)は油価上昇の許可証(pass)を手に入れたのだ、と。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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