「息子の戦死」という誤報がこの夫婦に届いたことから、悲劇が始まった © Pola Pandora - Spiro Films - A.S.A.P. Films - Knm - Arte France Cinéma – 2017

 

「息子の戦死」という誤報が届いたことをきっかけに、運命に翻弄される家族の困惑ぶり、心情、そして悲劇を描いたイスラエル映画『運命は踊る』(原題『フォックストロット』)が9月29日から、ヒューマントラストシネマ有楽町と新宿武蔵野館ほか全国で順次公開される。

 脚本・演出は、サミュエル・マオズ監督。1962年イスラエル・テルアビブ生まれで、1982年のイスラエル軍によるレバノン侵攻では、戦車部隊の砲手として従軍した。その壮絶な体験を基にした長編映画デビュー作『レバノン』(2009年)で、ヴェネチア国際映画祭グランプリを受賞し、長編第2作となる本作でも同映画祭審査員グランプリを受賞するなど、高い評価を得ている。

 マオズ監督に、本作の狙いや反響について聞いた。

「テロ」と「戦死」の共通体験

サミュエル・マオズ監督

 この映画を撮ろうと思ったきっかけは、私自身に起こった出来事でした。

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