会見に臨んだ関西エアポートの山谷社長(手前)とムノント副社長 (C) 時事

 

 9月4日、台風21号による高潮と強風でマヒ状態に陥った「関西国際空港」(関空、大阪府泉佐野市)。奇しくもこの日は開港から丸24年のメモリアル・デーだった。昨今のインバウンド(訪日外国人客)急増を背景に、成田に次ぐ「日本の第2の玄関口」として意気揚がる関空だが、振り返れば、世界初の本格的な海上埋め立て空港として開港した当初は、軟弱な海底地層による地盤沈下や高額の着陸料による就航便の低迷が続いたことから、「欠陥空港」と呼ばれていた。

 先の台風21号では滑走路の冠水やターミナルビルの電源喪失、さらに連絡橋の破損といったトラブルが続発し、約8000人が翌日深夜まで人工の空港島に取り残された。南海トラフを震源とする巨大地震が予想される中、大惨事を引き起こしかねない同空港の深刻なリスク要因が改めて浮き彫りになった。

指摘され続けて来た「関空のアキレス腱」

「『50年に1度』の災害の想定がいとも簡単に突き崩された」

 台風21号の襲来から1週間後、関空を運営する「関西エアポート」(大阪府泉佐野市)が被災した施設を報道陣に公開した際、同社幹部はショックを隠せない表情でこう語った。

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