想定可能な「高潮」対策を怠った関空「機能不全」の責任

執筆者:安西巧 2018年10月2日
エリア: アジア
会見に臨んだ関西エアポートの山谷社長(手前)とムノント副社長 (C) 時事

 

 9月4日、台風21号による高潮と強風でマヒ状態に陥った「関西国際空港」(関空、大阪府泉佐野市)。奇しくもこの日は開港から丸24年のメモリアル・デーだった。昨今のインバウンド(訪日外国人客)急増を背景に、成田に次ぐ「日本の第2の玄関口」として意気揚がる関空だが、振り返れば、世界初の本格的な海上埋め立て空港として開港した当初は、軟弱な海底地層による地盤沈下や高額の着陸料による就航便の低迷が続いたことから、「欠陥空港」と呼ばれていた。

カテゴリ: 社会 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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