三菱商事が参画するカナダのLNGプロジェクト完成予想図(三菱商事HP「プレスルーム」より)

 

 米中貿易戦争がますます激化しているため、米国メキシコ湾岸における新規LNG(液化天然ガス)プロジェクトの立ち上がりが不透明さを増している。今後の新規需要の大半を占める中国市場を当てにできないかもしれないからだ(本欄2018年8月7日「加熱する『米中貿易戦争』終着点への懸念」参照)。

 その虚を突くようにして、「三菱商事」も参画している「カナダLNGプロジェクト」が最終投資決断(FID)をした、と発表された(『日本経済新聞』「三菱商事やシェル、カナダでLNG開発 1.6兆円」2018年10月2日15:39 )。

 邦字紙も『フィナンシャル・タイムズ』(FT)も報じてはいないが(FT「Shell gives go-ahead to major Canada LNG project」東京時間2018年10月2日16時頃掲載)、「三菱商事」のプレスリリースによると、原料ガスは当該プロジェクトに参加している各社が、それぞれの持分比率に基づき手配し、生産されるLNGも持分比率に基づき引き取る権利があることになっている(三菱商事プレスルーム2018年10月2日「LNGカナダプロジェクトの最終決定について」)。

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