黒田日銀総裁(左)も安倍首相(右)も、「リフレ」の出口は見えているのか (C)時事

 

 リフレ政策が終焉に向かって動き始めている。

 2012年12月に発足した第2次安倍晋三政権は経済政策「アベノミクス」を打ち出した。その核となったのが金融政策・財政政策・成長戦略の「3本の矢」だった。

 特に金融政策では、黒田東彦氏を日本銀行総裁に登用し、総裁自らが「異次元緩和」と呼んだ未曽有の金融緩和策により、国民のインフレ期待を高め、デフレ経済からの脱却を図る「リフレーション政策」(リフレ政策)を推進した。

 黒田総裁は、「2年で、消費者物価指数の2%の達成」を掲げ、マイナス金利の導入まで踏み切ったが、未だに消費者物価指数2%は達成できていない。デフレ脱却による消費者物価2%達成という点では、すでにリフレ政策はその効果を喪失していると言える。それでも、黒田日銀は粛々と金融緩和政策を継続している。

首相の言及が発端

 ところが、ここにきてリフレ政策は大きな曲がり角を迎えている。口火を切ったのは、安倍首相だった。9月14日に行われた自民党総裁選の討論会で、安倍首相は「異次元ではあるがやるべきことをやった。でも、ずっとやって良いとは全く思っていない」と黒田日銀の異次元緩和について述べ、さらに、「よい形で経済が成長してきている中で、私の任期(2021年9月)のうちにやり遂げたい」と、金融緩和政策の終了に言及した。

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