虚しさ漂うゼーダー州首相のポスター (C) AFP=時事

 

 10月14日に行われたドイツのバイエルン州議会選挙で、キリスト教社会同盟(CSU)と社会民主党(SPD)が歴史的大敗を喫した。連邦レベルでキリスト教民主同盟(CDU)と連立政権を組む2党の敗北は連邦政治への影響必至であり、ひいてはアンゲラ・メルケル首相の進退にもつながりかねない。すべてのドイツ国民の目はいま、今後のドイツの行方を決定づける10月28日のヘッセン州議会選挙に向いている。

 バイエルン州のCSUと言っても一般の人にはピンと来ないかもしれない。ミュンヘンを擁するバイエルン州はドイツの中でも殊の外、独立の気風が強い。自分達は他とは違い、一種の独立王国なのだと思っている。バイエルン州は正式には「バイエルン自由州」(Freistaat Bayern)と言い、この辺りに州民のプライドが表れている。

 そういうこともあり、ここではCSUが州の政治を牛耳り、メルケル首相のCDUは連邦議会選挙でも今回の州議会選挙でもここに候補者を立てない。

 日本でたとえるならば、公明党の牙城、衆院「東京12区」を思い浮かべてもらいたい。東京12区がバイエルン、公明党がCSUといったところだ。自民党は連立を組む公明党に遠慮して、この選挙区には絶対に候補者は立てない。

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