サウジアラビアの首都リヤードで、10月23日−25日に、ムハンマド皇太子肝煎りの「未来投資イニシアティブ」会議が開かれる。

この会議は昨年10月に立ち上げられたもので、今年は第二回。ムハンマド皇太子がぶち上げた「ヴィジョン2030」を推進するに際して、内外の「応援団」を年一度招待してリヤードに集めるネットワーク・イベントとしての性質が見て取れる。

昨年のこの会議で最も良く出回っている写真は、ムハンマド皇太子とラガルドIMF専務理事が客席で並んで座る写真と、そして壇上でムハンマド皇太子がソフトバンクの孫正義氏と並んで談笑する写真だろう。特に、ムハンマド皇太子自身が登壇するパネルは注目された。ムハンマド皇太子はこの会議で壮大な未来都市NEOM構想を発表し、国際的に話題の中心になった。会議のハイライトと言えるパネルでムハンマド皇太子と誰が同席するかは最も注目されたが、ここで孫正義氏が登壇したことで、いわば「会議の顔」となった。

孫正義氏は単にパネルで隣り合って登壇しただけではない。その後、ムハンマド皇太子との大規模なジョイント・ヴェンチャーを仕掛けていった。孫正義氏が2016年に立ち上げていた「ヴィジョン・ファンド」は、ムハンマド皇太子の「ヴィジョン2030」と平仄が合う。孫氏のヴィジョン・ファンドには、ムハンマド皇太子が取締役会長を務める公的投資基金(PIF)が大規模な出資を発表した。ムハンマド皇太子は10月3日のブルームバーグのインタビューでも、PIFが孫氏の第二のヴィジョン・ファンドにも450億ドルを出資すると発表していた。孫正義氏とムハンマド皇太子は,国際的なイメージの上で、強く結びつけられてしまっている。

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