「テスラ」「GE」CEO進退比較でわかる米「プラグマティズム」
2018年10月22日
日本ではあまりニュースにならなかったが、米ゼネラル・エレクトリック(GE)のCEO(最高経営責任者)が10月1日、就任からわずか14カ月で更迭された。不祥事があったわけではない。業績不振で取締役会に見限られたのだ。一方、「非上場化を検討している」というツイートで世間を騒がせた米電気自動車メーカー・テスラのイーロン・マスクCEOは米証券取引委員会(SEC)に提訴されたが、結局CEOを続投することになった。金の匂いがする限り多少のことには目をつぶるが、無能と見ればあっさり切り捨てる。これが米国のプラグマティズムだ。
株価が1年で50%下落
更迭されたGEのCEOはジョン・フラナリー氏。2017年8月にジェフ・イメルト氏の後継に就任した生え抜きだ。日本ではまだ顔も名前も覚えられていないが、覚える前に消えてしまった。
GE は2017年12月期、58億ドルの最終赤字に沈んだ。フラナリー氏はその責任を取らされた格好だが、赤字の元凶は前任のジェフ・イメルト氏が2015年に決断した、仏アルストムからの重電部門の買収(買収金額100億ドル=約1兆1200億円)である。これを含む電力事業の取引に関連し、230億ドル(約2兆5800億円)の「のれん代」を減損処理したことが巨額赤字の原因である。
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