EUとの離脱交渉が進展しない中、EU首脳会議に出席したメイ英首相 (C)EPA=時事

 

 2019年3月のイギリスのEU(欧州連合)離脱(BREXIT)期限が5カ月後に迫る中、EUとイギリスの交渉は最終局面を迎えている。しかし、依然としてその見通しは不明瞭だ。

 10月17日に行われたEU首脳会議の最大のテーマは、イギリス離脱の条件で合意するか否かだったが、結局具体的な妥協策による合意にはいたらなかった。テリーザ・メイ首相は事前にジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長、ドナルド・トゥスク欧州理事会議長(EU大統領)、エマニュエル・マクロン仏大統領らと議論したが、妥結点を見いだせなかった。

 当初、今回合意に達しなかったら、再度11月に臨時首脳会議を開催するという声もあったが、イギリスが新たな提案をしない限り話し合いは難しいという見方が強くなり、最終合意は12月の首脳会議に先送りされる公算が強くなった。

追い込まれたメイ首相

 10月14日に行われたEUとイギリスの実務レベル交渉による暫定案の公表を、メイ首相が妨げたという情報も事前に入っていた。

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