日仏「宇宙飛行士」が語る「宇宙探査」の展望と意義(下)

執筆者:フォーサイト編集部2018年10月25日
ISSの観測用モジュール「キューポラ」にいるペスケ宇宙飛行士(C)AFP=時事

 

山崎直子宇宙飛行士 これから宇宙探査を進めていくには「国際宇宙ステーション」(ISS)で行われているような国際協力が欠かせませんし、国家プロジェクトだけでなく産業界、民間との連携も必要になってきます。様々な技術との融合も大切になってくるかと思います。そういった部分をいかに有機的に結び付けていくかということに関して一言ずつお伺いしてから、会場のみなさんのご質問をお受けしたいと思います。

トマ・ペスケ宇宙飛行士 最も重要なのは、宇宙探査で起きていることと地上の探査で起きていることには大して差がないということです。何かを発見し、新しいものを学び、進んでいくというプロセスは同じ。私たちの場合は宇宙ですが、各国の宇宙機関が新しい道を開き、それをみなさんが辿り、発見されたものを活用するという道のりになっていくと思います。したがって、宇宙飛行士はもっともっと宇宙に行くと思いますし、地球低軌道はどんどん商用化に使われるようになると思います。

中須賀真一教授 今、「第2回国際宇宙探査フォーラム」(ISEF2)の中で、「LOPーG」という月周回のミニ宇宙ステーションをつくっていこうというアメリカ主導の国際計画が進んでいます。これは人間の活動の地平を月にまで広げていくという観点から非常に良いもので、かつ国際的な共同プロジェクトを行う1つのステージとしてはとても象徴的なものであると考えています。

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