10月26日、イスラエルのネタニヤフ首相がオマーンを電撃訪問した

イスラエルとオマーンは国交がない。イスラエルはアラブ世界ではエジプトとヨルダンと国交を結んでいるのみであり、公式的には他のアラブ諸国はイスラエルを承認していない。

オマーンはアラブ諸国の中で特殊な位置に立っている。オマーンはイランとの関係を保ち、同時にサウジやUAEなどGCC諸国や米国などとも良好な関係を築くことが公然と認められている、例外的な国であり、しばしば中東の対立する陣営の仲介者・伝達役になる。

それでは今回のオマーン訪問で、ネタニヤフ首相はどことの「仲介」を求めているのだろうか。

ネタニヤフ首相のオマーン訪問に先立つ10月21−23日にパレスチナのアッバース大統領がオマーンを訪問しており、オマーンのカーブース国王はイスラエル・パレスチナの和平交渉の仲介を行っているようにも見える

しかし最近のイスラエルの安全保障環境をめぐる情勢、特にロシアとの関係を勘案すると、またオマーンのイランとその敵対勢力との仲介者としての実績を考えると、イスラエルはイランとの仲介を模索しているのかもしれない、という推測が成り立つ。この推測はイスラエルのメディアによっても行われている。

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