「大失言」で決選投票にもつれ込んだジョージア史上初「女性大統領」候補
2018年10月31日
ジョージア(グルジア)を中心部に置くコーカサス(カフカス)地方は、ユーラシアの歴史の中で常に特異な地位を占めてきた。それは、何よりもこの地域だけでしか話されていない孤立言語の存在からも明らかであろう。
一方、ジョージア人は遠くモンゴルから中東全域、そしてヨーロッパ各地にまで歴史的にその足跡を残してきた(米ジョージタウン大学国際関係論・統治学教授チャールズ・キング著『黒海の歴史』など参照)。
筆者は、四半世紀にわたって狭義の専門としてはアーリー・モダン(近世、初期近代)イラン世界におけるジョージア・コーカサス系エリートの政治活動を追ってきたが、その過程で、ジョージアだけではなく、中国からイラン、トルコ、東欧各地、西欧主要国、アメリカなど様々な地域を訪れる機会を得た(なお、まだ建設中であるが、関心の向きは筆者のウェブサイトも参照されたい)。
また、もともと映画などで彼の地の文化に惹かれて現地の研究を志し、ジョージア独立後邦人としてはじめて2年間の現地留学を果たした。ここでは、国際政治に留まらず、より広く文化や歴史的ユーラシア世界を、ジョージアに焦点をあてつつも見ていきたい。
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