この人の「呪縛」から逃れるために(C)AFP=時事

 

「ねじれ」構造となった中間選挙の結果を踏まえ、次のトランプ外交はどのように展開していくのだろうか?

 サウジアラビア(以下サウジ)人ジャーナリスト「ハーショクジー氏殺害事件」をどのように総括し、サウジとの関係をどのように再構築していくのか。議会などがどの程度強烈に「制裁」を要求してくるのかにもよるのだろうが、ドナルド・トランプ大統領は「小事」よりも「大事」だとして、このままうやむやにして収めてしまいたいと考えていることだろう。

 何故なら、サウジの経済改造計画「ビジョン2030」推進に不可欠な海外からの投資呼び込みを目指して10月23日~25日に開催された「未来投資イニシアチブ」(通称「砂漠のダボス会議」)には、欧米勢が完全に腰が引けている間隙を縫って、ロシアが数十名からなる代表団を送り込み、勢力拡大を誇示しているからだ。サウジはロシア北極海の新規LNG(液化天然ガス)プロジェクトに参画したいと表明し、さらにロシアの最新ミサイル設備「S400」購入も検討しているとも伝えられている。

 トランプ大統領は、サウジの「米国離れ」だけは何としても阻止しなければならない、と考えているのではないだろうか。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。