【特別対談】白戸圭一×篠田英朗:「アフリカ」から見える「日本」「世界」のいま(3)
2018年11月13日
篠田英朗:関連した話をもう少しすると、10年ほど前になりますか、TICADⅣ(第4回アフリカ開発会議)の時です。
白戸圭一:TICADIVが開かれたのは2008年、福田康夫首相の時ですね。
外務省内でも認知度の低い対アフリカ支援
篠田:そもそも、アフリカのピースキーピングのキャパシティーを高める、アフリカ自身の平和構築能力を高めるという国際的なコンセンサスがあり、米国も、欧州諸国も、国連もそれに沿って活動しています。
そんな中、日本もその波に乗ろうとしたのが2008年、TICADⅣの時なんですね。つまりPKO(平和維持活動)センターに援助することにした。でも1件につき1億円とか2億円とか、標準的なODAの世界と比べたら、非常に小さい。
資金を拠出した先は、エジプトのPKOセンター、ガーナのコフィ・アナン国際平和維持訓練センター、ナイジェリアの国防大学の中にある研修機能を持つ戦略研究センターなどで、ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)の中ではいずれも要所なんですね。ECOWASは我々の業界の感覚からいうと、AU(アフリカ連合)よりも能力も実績がある。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。