共和党は中間選挙で本当に「勝利」したのか

執筆者:足立正彦2018年11月19日
ご本人はしきりと「勝利」を強調していたが(C)AFP=時事

 

【ワシントン発】 11月6日に投票が行われた2018年米国中間選挙から2週間近くが経過した。

 投票日翌日の7日にホワイトハウスで行われた記者会見で、与党・共和党は下院での多数党の立場を失ったにもかかわらず、ドナルド・トランプ大統領は共和党が勝利を収めたとの見解を示し、大見栄を張った。だが、トランプ大統領が主張するように共和党は本当に勝利を収めたのであろうか。中間選挙での有権者の具体的投票行動を分析すれば、共和党が勝利したのではなく、むしろ、敗北を喫した姿が明らかになり、それは2020年のトランプ大統領の再選に向けてのアキレス腱ともなりかねないと筆者は考えている。

攻めきれなかった連邦上院議員選挙

 連邦上院議員選挙(定数100名)については、改選議席数33のうち、民主党現職が25議席、共和党現職は8議席で、民主党の方が共和党よりも3倍も改選議席数が多く、守勢を強いられる「守りの選挙」という構図であった(現職上院議員の任期途中の辞職に伴い、ミネソタ州とミシシッピ州で補欠選挙が実施)。

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