美しい自然とともに、有数の資源の国としても知られるモザンビーク。この沖合でLNG事業が進む

 

 三井物産も関与しているモザンビークのLNG(液化天然ガス)事業を巡って、横から「ロイヤル・ダッチ・シェル」(以下シェル)が文句を言っている、という『フィナンシャル・タイムズ』(以下FT)の記事を読みながら、詳細不明なところもあるが、これは「サウジアラムコ」がIPO(株式公開)を行った以降、いわゆる「余剰生産能力」を保持し続けることを株主が許容するかどうか、ということと本質的に同根の問題だな、と考えていた。

「余剰生産能力」とは、米エネルギー省傘下のエネルギー情報局(EIA)の定義によれば、「30日以内に増産可能で、90日間以上維持できる能力」のことであり、国際エネルギー機関(IEA)によれば「3カ月以内に増産可能で、当分のあいだ維持できる生産能力」となっている。つまり、短期間のあいだに増産が実現できて、それからしばらくは維持可能な増産能力のことである。

 逆の見方をすれば、長い時間と多大な資金をかけて積み上げてきたものだが、現在は使用していない無駄な能力、とも言える。

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