「カタルーニャ人よ、フランコが戻ってきた」と書かれた看板を掲げる独立派住民(筆者提供、以下同)
 

 「そういえばカタルーニャって、最近ニュースで聞かないけど、その後どうなったの?」――バルセロナから帰国すると、決まって日本の友人に聞かれる質問だ。昨秋はカタルーニャの独立問題が世界中の注目を集め、それまで国際的には無名だったカルレス・プチデモン前カタルーニャ州首相の顔が、毎日お茶の間に登場したのに、最近は続報がめっきり少なくなっている。

「奇妙な凪」の時期

 「スペインからの独立を問う住民投票」を、カタルーニャ州政府が強行したのは2017年10月1日。それから1カ月間、カタルーニャ情勢は、ちょっと目を離すと何が起こるか筋がわからなくなる、「ジェットコースタードラマ」のような、先の読めない展開になった。

2017年9月、カタルーニャ州では投票を呼びかけるポスターが至るところで見られた

 10月中旬、プチデモン前州首相が独立を宣言をしたかと思うと、その10秒後には独立宣言を一時凍結。国際世論の関心を引きつけ、スペイン中央政府との話し合いを有利に運ぼうとしたが、当時のラホイ国民党政権が強硬姿勢を崩すことはなく、10月末、カタルーニャ州政府はついに、一方的な独立宣言をせざるを得なくなった。

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