「珠海航空ショー」で初公開された中国の次世代ステルス戦闘機「殲20」(C)AFP=時事 

 

 米国側のこうした焦りは、米国の安全保障関連シンクタンク「ランド研究所」が2016年8月に公表した詳細な報告書「中国との戦争」(研究の予測範囲は2015~2025年まで)でも顕著だ。

 タイトル通り、米中間で戦争が起きた場合を想定しているのが特徴だ。そこでは「米中は、陸海空、宇宙、サイバーなどの広大な領域で戦闘を行うのに十分な兵力、技術、工業力を有している」とし、米中戦争が起こる要因として、「尖閣諸島など東シナ海での日中間の軍事対立」「領有権を争う南シナ海で中国が行う軍事的威嚇」「北朝鮮の政権崩壊に伴う米中軍事介入」「台湾有事」などが列挙されている。

 さらにこの報告書では、戦争の「形態」も予測している。米中間の戦争は、中国軍が壊滅する危険が迫ったり、中国本土における防衛能力が喪失したり、北京の指導部への危険が迫ったりするなどの状況となれば、中国が核兵器の使用を検討する可能性があるとした。

 だが、一般的には通常兵器による戦闘となり、主に艦艇、潜水艦、無人機を含む航空機、ミサイル、そして宇宙とサイバーを使った先端技術の戦いとなるとしている。

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