実権はなく象徴的存在の大統領とは言え、ロシアとの関係は悩ましい(C)AFP=時事

 

 2018年11月28日(水)、3600を超える投票所でジョージア国第5代大統領を決める決選投票が行われた。

 午前8時から午後8時までの12時間、350万を超える有権者(第1回投票より約1万人増加、約1万5000人は海外で投票)が、決選投票に進んだ2人の候補のどちらかに投票することとなった。

 1300名を超える海外からの選挙監視員と5万人近い現地のオブザーバーも、投票を見守った。駐アフガニスタンのジョージア兵が一足先に投票を終えたことが報じられたが、この点もジョージアの国際政治における立ち位置とその歴史を映して興味深い点である。

「番狂わせ」の第1回投票

 前回の拙稿(2018年10月31日「『大失言』で決選投票にもつれ込んだジョージア史上初『女性大統領』候補」)でも紹介したように、ちょうど1カ月前の10月28日に行われた第1回の投票では、与党「ジョージアの夢」が推す独立候補サロメ・ズラビシュヴィリ氏が38.64%の得票率で振るわず、野党「統一国民運動」ミヘイル・サアカシュヴィリ前大統領派のグリゴル・ヴァシャゼ氏が37.74%と、票数にしてわずか1万5000票差という(61万5572対60万1224)ほとんど拮抗する善戦を見せた。

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