中東通信を書いていてうれしいこと1

執筆者:池内恵2018年12月6日

つい先日も「フォーサイト読んでいました」と声をかけられた。「いました」と過去形なのは、月刊誌の「紙の」時代のフォーサイトを購読していただいていたからである。親子で読んでいてくださって、私の本も探して読んでいただいていたという。嬉しい限りである。

ビジネスマンの方が「親子で」フォーサイトで私の記事を見出し、今でいう「フォロワー」になってくださっていたことに、折に触れて気づく機会がある。

月刊誌であった当時はよほどの偶然や縁がなければ読み手と書き手がやり取りする機会はなかったのだが、それでも時間が経って様々なことをやっていくうちに、どこかでお会いして言葉を交わす機会がある。そういう時に特に、文章を書いて来た喜びを感じる。

残念なのは、必ずしも月刊誌の時代の読者がウェブ版に移行してくれていないことだが。。。

やはりそれは「情報がありすぎる中で、必要な情報を厳選する」という購読制月刊誌の特性を必要としていたからなのだろう。もう紙の月刊誌の時代には戻れない。しかしウェブ版で、この「厳選」という特性を実現できたら、というのが私の夢である。

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