「徴兵逃れ」に「財政問題」人手不足に喘ぐ「ロシア軍」の窮状
2018年12月10日
ロシアと言えば軍事大国というイメージがあるが、その兵力は世界で突出して大きいわけではない。
北朝鮮よりも小規模
2017年にウラジーミル・プーチン大統領が発出した大統領令では、現在のロシア軍の総兵力は約101万3000人(それまでは100万人ちょうど)とされている。米国(130万人)、中国(203万人)、インド(144万人)といった他の大国に比べるとかなり少なく、120万人とされる北朝鮮よりもなお小さい。他方、国土面積がロシアの45分の1しかない日本の自衛隊でさえ、総兵力は24万人と、ロシア軍の4分の1近くになり、韓国軍でも62万人に上る。
さらに言えば、101万3000人というのはあくまでも定数であり、実際の兵員充足数は90万~プラス数万人と見られている。しかもロシアの場合、このうちの少なからぬ数を核兵器の運用部隊や宇宙部隊、ミサイル防衛部隊などに振り向けねばならないから、通常戦力に回せる人材はさらに限られる。
大陸国家であるにもかかわらず、ロシア陸軍の兵力がわずか28万人程に過ぎないのはこのためだ。独立の空中機動部隊である「空挺軍」(VDV)を加えても、ロシア軍の地上戦力は33万人弱というところであり、インド陸軍(120万人)や中国陸軍(98万人)はもちろん、なんと韓国陸軍(49万人。このほかに海兵隊2万9000人)や北朝鮮陸軍(110万人)よりもはるかに規模が小さい。
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