サイバーウォー・クレムリン (21)

「徴兵逃れ」に「財政問題」人手不足に喘ぐ「ロシア軍」の窮状

プーチン大統領が狙うは軍の「少数精鋭化」 (C) EPA=時事

 

 ロシアと言えば軍事大国というイメージがあるが、その兵力は世界で突出して大きいわけではない。

北朝鮮よりも小規模

 2017年にウラジーミル・プーチン大統領が発出した大統領令では、現在のロシア軍の総兵力は約101万3000人(それまでは100万人ちょうど)とされている。米国(130万人)、中国(203万人)、インド(144万人)といった他の大国に比べるとかなり少なく、120万人とされる北朝鮮よりもなお小さい。他方、国土面積がロシアの45分の1しかない日本の自衛隊でさえ、総兵力は24万人と、ロシア軍の4分の1近くになり、韓国軍でも62万人に上る。

カテゴリ: 社会 軍事・防衛
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top