サイバーウォー・クレムリン (23)

「対ロ情報戦」の最前線「NATOサイバー拠点」訪問記(中)

執筆者:小泉悠 2019年1月17日
タグ: NATO ロシア
エリア: ヨーロッパ
「NATOストラトコムCOE」は2014年7月にラトヴィアの首都リガで開設された(C)AFP=時事

 

 前回は、NATO(北大西洋条約機構)がラトヴィアに設置した情報戦研究機関「NATO戦略コミュニケーションセンター」(通称「NATOストラトコムCOE」)の活動と、情報が新たな「武器」へと変貌しつつある現状について紹介した。

 前回触れた「認識が『現実』をつくる」というNATOストラトコムCOEの警句(前回の小欄を参照)のとおり、情報は人々の認識に影響を与え、やがて現実の方を書き換えてしまう。

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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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