iPhoneを追い抜いたファーウェイのスマホショップ (C) AFP=時事
 

 カナダ司法省が、中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の創業者である任正非CEO(最高経営責任者)の実娘で、CFO(最高財務責任者)兼副会長の孟晩舟を逮捕したニュースは、世界を震撼させた。

 ファーウェイと言えば、2017年に世界で6036億元(約10兆円)の売上高を記録した大手企業で、スマートフォンの売り上げでは今年の第2四半期に「アップル社」を超えて世界第2位に躍進し、1位の「サムスン電子」に迫る形となっていた。またインターネットなどの通信インフラとなる通信基地局のシェアでは、世界1位だ。日本では中国企業として初めて、2011年に日本経済団体連合会(経団連)に加盟している。

 そんな企業の副会長が、カナダで飛行機を乗り換える際に突如逮捕されたのだから、大きな驚きをもって受け止められたのは当然だろう。

取ってつけたような容疑

 ただ、政府やサイバーセキュリティの関係者などにとって、このニュースは何ら意外ではなかった。なぜなら、ファーウェイや同様の中国通信機器大手「中興通訊」(ZTE)などについては、米国政府が中心となって以前よりあの手この手で排除を目論んできたからだ。その20年前にまで遡る歴史を知っていれば、今回の「対イラン制裁違反」という容疑が取ってつけたようなものだとわかる。

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