「2046年」に消える「最後の香港」

映画『宵闇真珠』監督インタビュー

執筆者:フォーサイト編集部2018年12月13日
漁村、少女、異邦人が幻想的に絡み合う (C)Pica Pica Media

 

 真夜中の海岸で、ゆるやかに歌いながら踊る少女。それを見つめる旅人の男――水上家屋が並ぶ香港の“最後の”漁村を舞台に、2人の出会いと別れ、そして少女の成長を描き出した映画『宵闇真珠』(原題『白色女孩』・英題『THE WHITE GIRL』、キノフィルムズ配給)が、12月15日から、シアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。

 名カメラマンとして知られるクリストファー・ドイル撮影監督と共同で本作品を演出したのが、この作品が長編映画監督デビュー作となる、香港出身のジェニー・シュン監督だ。監督に、この作品に込めた思いについて聞いた。

シンプルなラブストーリー

 この映画の少女=ホワイトガール(アンジェラ・ユン)は、実はウソだったのですが、親から太陽光アレルギーがあると言われていて、周囲からは、あなたはここに属さない人間だと決めつけられていました。ところが、旅人の異邦人(オダギリジョー)と出会うことで、だんだん変わっていく。

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