大統領執務室でトランプ大統領を待つケリー氏。右後ろに控える娘婿クシュナー氏との確執も取りざたされていたが、また1人高官が去ることに(C)AFP=時事

 

【ワシントン発】 米国時間12月8日、ホワイトハウス高官の人事異動が明らかになった。

 約1年半に渡り、政権の要である大統領首席補佐官を務めてきたジョン・ケリー氏が、年末までに辞任することをドナルド・トランプ大統領自身が明らかにした。トランプ大統領とケリー氏との関係は今年春頃から急速に悪化し、辞任が憶測され続けていたため、辞任は時間の問題と見られていた。それだけに、実際にケリー氏が辞任するとの報に接したときには筆者も驚きは感じられず、やはりという印象を受けた。

 トランプ大統領は2017年1月に政権を始動させたが、大統領任期4年間の折り返し点をまだ過ぎていないにもかかわらず、共和党全国委員会(RNC)委員長から起用されたラインス・プリーバス氏(2017年7月28日更迭)、ケリー氏に次いで早くも3人目の大統領首席補佐官を任命せねばならなくなり、歴代政権と比較すると異例の事態である。

「秩序」と「規律」を重視したケリー氏起用

 ケリー氏はトランプ政権発足時には国土安全保障長官として政権入りしたが、政権発足から半年間はホワイトハウスで内部対立やメディアに対する機密情報の漏洩(リーク)が絶えず、ほとんど機能不全状態に陥っていた。

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