11月16日、「先端戦術兵器」の試験を指導した金正恩党委員長(中央)。しかしそれがどんな兵器なのか、詳細は不明だ [KCNA VIA KNS] (C)AFP=時事

 

 米朝交渉が停滞する中で、韓国と北朝鮮は文在寅(ムン・ジェイン)大統領が訪朝して金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と合意した「9月平壌共同宣言」の内容を着々と履行していった。

進む「軍事的緊張緩和」

 韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相ら政府関係者に民間を合わせて約160人の官民代表団が、10月4日から6日にかけて訪朝した。これは2007年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記の「10.4共同宣言」11周年を記念したものだった。

 南北は「9月平壌共同宣言」とともに合意した「板門店宣言履行のための軍事分野合意書」に基づき、10月25日までに板門店の共同警備区域(JSA)の非武装化を終了した。

 また双方は11月1日午前零時から、陸海空の南北境界付近での一切の敵対行為を禁止した。韓国大統領府が軍事分野合意書は南北間の「実質的な終戦宣言」としていたが、現実に南北間の相手側に対する敵対行為は禁止された。

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