不測の事態が起きた時の対応も気になる (C)AFP=時事

 

 日本は水に恵まれた国だ。狭い平野の背後に、急峻な山々を抱えていることから、水量が豊富な川が多く流れている。その上、水道水は直接飲めるほど安全性が高い。しかし、今、日本の水道事業は大きな曲がり角を迎えている。

水に恵まれた日本

 島国であるため、日本には「国際河川」がない。国際河川とは、複数の国をまたがって流れる川を指す。国際河川は世界に約260本あり、国際河川が流れている国は約140カ国ある。こうした国際河川が流れる国々では、時として水紛争が発生する。

 例えば、上流にある国が水を大量に使用すれば、下流にある国は水不足になるかもしれない。上流にある国で河川が汚染されれば、下流にある国では汚染された水を使用することになり、水が使えなくなるかもしれない。確かに、日本でも水不足は発生するし、河川の汚染も起こる。しかし、これが国際紛争に発展することはない。

 その上、日本の水道は非常に安全性が高い。国土交通省の発表によると、水道水を直接飲める国は、世界に15カ国しかない。アジアでは、日本以外に水道水が直接飲める国はアラブ首長国連邦(UAE)しかないのだ。

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