中央がCDUの党首選を制したクランプ=カレンバウアー氏。左がシュパーン氏、右がメルツ氏 
(C)AFP=時事
 

 12月7日、ドイツ・ハンブルクで行われたキリスト教民主同盟(CDU)党首選挙はドイツおよびヨーロッパにとり、極めて重要な出来事だった。誰が次期党首――つまり次期首相の可能性が最も高い人物――に選出されるかは、ドイツはもとよりヨーロッパの今後を決めると言っても過言ではない。メルケル路線が継続されるのか、あるいは転換されるのか――。

 結果は、12月12日の拙稿「ドイツ与党『CDU』新党首が問われる『2つの焦点』」でも伝えた通り、メルケル路線継続派のアンネーグレット・クランプ=カレンバウアー幹事長が新たな党首に選出された。

 しかし、その差はわずか有効投票999票中の35票。一体何が勝敗を分けたのか。そもそも第1回投票で敗退した「保守・メルケル路線転換」派イェンス・シュパーン保健相が獲得した157票が、決選投票では同じ「保守・メルケル路線転換」派のフリードリッヒ・メルツ氏にその5分の3しか流れなかった。なぜか。独メディアはそのあたりを詳細に報じている。

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