ノルウェー大使が語る「画家ムンク」の知られざる「多面性」

執筆者:フォーサイト編集部2018年12月21日
ムンク《自画像》の隣に立つシグネ・ブルーデセット大使。ノルウェー大使公邸にある「ムンクの間」にて   撮影:青木登(作品画像以外すべて)
 
 
エドヴァルド・ムンク《叫び》1910年?  テンペラ・油彩、厚紙 83.5×66cm
作品はすべてオスロ市立ムンク美術館所蔵 
All Photographs ©Munchmuseet

 世界中でよく知られた名画のひとつ「叫び」を描いたエドヴァルド・ムンク(1863~1944年)。版画をのぞき、技法や素材、制作年が異なる4ヴァージョンが現存する「叫び」の中から、ノルウェーのオスロ市立ムンク美術館所蔵の作品が日本で初公開されている。強烈な色彩と人物表現で、1度見たら忘れられないほどの印象を残す作品ゆえに、ムンクといえばまず「叫び」を連想する人も多いだろう。また、そのイメージから不安や恐怖、苦悩といった作家のある一面だけを捉えてしまうかもしれない。しかし、「ムンク展―共鳴する魂の叫び」(2019年1月20日まで)に出展される初期から晩年までの約100点の作品を見れば、故郷ノルウェーへの思慕が漂う美しい風景画や、共感を込めて描かれた肖像画など、ムンクの新たな側面に触れることができるはずだ。

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