世界中でよく知られた名画のひとつ「叫び」を描いたエドヴァルド・ムンク(1863~1944年)。版画をのぞき、技法や素材、制作年が異なる4ヴァージョンが現存する「叫び」の中から、ノルウェーのオスロ市立ムンク美術館所蔵の作品が日本で初公開されている。強烈な色彩と人物表現で、1度見たら忘れられないほどの印象を残す作品ゆえに、ムンクといえばまず「叫び」を連想する人も多いだろう。また、そのイメージから不安や恐怖、苦悩といった作家のある一面だけを捉えてしまうかもしれない。しかし、「ムンク展―共鳴する魂の叫び」(2019年1月20日まで)に出展される初期から晩年までの約100点の作品を見れば、故郷ノルウェーへの思慕が漂う美しい風景画や、共感を込めて描かれた肖像画など、ムンクの新たな側面に触れることができるはずだ。
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