「FT」記者が解説する原油価格「急落」の背景事情
2018年12月25日
『フィナンシャル・タイムズ』(FT)のエド・クルックス記者が珍しくオピニオン記事を書いている。読んでみたら、「オピニオン」らしきものは最後の数行だけだ。クリスマス休暇直前なので、同じような見方をしていて、自らの意見に近いコメントをしてくれる識者と連絡が取れなかったからではないだろうか。
当該記事の要点は、油価が10月初めの高値から急落した背景には、シェール業者のヘッジの相方となった投資銀行などのポジション整理がある、持っているポジションの整理が終わると一連の動きも終了するので、油価下落は続かない、むしろ油価下落によりシェール業者が将来の収入を確保する目的の次のヘッジができなくなるので掘削減少につながるのでは、という業界関係者のコメントを整理し、解説しているところにある。
この解説は読者の皆さまにも有益だと思うので、紹介しておきたい。
ポジション整理が下落を増幅
まず、シェール業者のヘッジというのは、たとえば2020年7月から12月までのあいだに生産される原油の価格を、2018年12月の今の時点で確定させるために行うものだ。もちろん、今は価格が低すぎるので、ヘッジを行うにはふさわしくないタイミングだが、仮に十分に高い水準にあるものと考えて欲しい。
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