仏「黄色いベスト運動」考(中)何者なのか
2018年12月26日
フランスの「黄色いベスト」運動は、謎の多い現象である。メディアの取材に応じたコメントを探ると、その言説はあまりにばらばらで、立場や主義主張が一様でないことだけは見てとれる。
年輩者、低所得、会社員
フランス人でさえつかみかねていた実像をうかがえる調査結果が多少なりとも浮かび上がったのは、12月半ばになってである。ボルドー政治学院やパリ第10大学、モンペリエ大学などの社会学者らが11月24日と12月1日、参加者へのアンケートを合同で実施し、その内容を暫定報告「黄色いベストとは何か」にまとめた。
これによると、参加者の平均年齢は45歳だった。フランスの人口全体の平均年齢は41.4歳というから、それよりも4歳近く高い。シャンゼリゼで暴れる姿だけを見ると随分若い印象だが、地方都市での運動も含めると年配者が少なくないようだ。18歳から24歳までは全体の6.2%しか占めなかったのに対し、65歳以上は17.3%にも達していた。男性は54%で、案外と女性の割合が高い。
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