両首脳の距離は縮まるか……(C)AFP=時事

 

 中国の通信機器最大手「華為技術(ファーウェイ)」の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)がカナダで逮捕されて2週間余が過ぎた12月18日、「中国改革開放40周年」を記念する式典が北京で開かれた。習近平国家主席の「重要演説」では、政権の「強気と弱気」が交錯した。本稿では、この演説などから米中の「(3月頭までの)90日間米中協議」の行方を探る。

「予想できない嵐に遭遇」

 習主席は演説で、改革開放政策を始めた1978年と比べて国内総生産(GDP)が224倍以上の規模に膨れ上がり、高度成長を実現した経緯を踏まえ、今後も「全党、全人民を動員して改革開放を進める」と国内を鼓舞した。さらに「中国は国際秩序の擁護者だ」とも述べ、米国のドナルド・トランプ政権の外交姿勢を牽制し、正義は我にありとの姿勢を強く打ち出した。

 筆者は演説の特徴を3点に見る。

 1点目は、「新時代」を宣言することが演説の柱とは言え、改革開放を先導した鄧小平氏を「主な代表」とだけ呼び、「核心」と呼ばなかったことだ。鄧氏だけでなく、「建国の父」毛沢東や江沢民といった過去に「核心」とされた指導者にも、この呼称を使用しなかった。

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