「衝動」で突き動かされる「トランプ大統領」

執筆者:足立正彦2018年12月27日
暴走政権の「最後の要」マティス国防長官も去ることに(CAFP=時事

 

【ワシントン発】 クリスマス休暇入りを直前に控えた12月下旬、ドナルド・トランプ大統領を震源地とする2つの「激震」が発生した。

 1つは、トランプ政権発足直後から同政権の国防政策を指揮してきた「狂犬(mad dog)」の愛称で知られるジェイムズ・マティス国防長官が、対シリア政策などを巡るトランプ大統領との意見対立を理由に2019年2月末で辞任することを12月20日に明らかにしたことである。その直後、トランプ大統領に対する批判が与党・共和党の有力議員の間からも表面化する中、トランプ大統領はマティス長官の当初の退任予定時期を2カ月前倒しし、1月1日付でパトリック・シャナハン国防副長官を長官代行に就任させることを発表している。

 そしてもう1つの「激震」は、暫定予算が12月21日午前0時1分に失効し、連邦政府機関の一部が閉鎖に追い込まれたことである。米議会はクリスマス休暇で既に休会に入っており、議員らも地元選挙区に戻る中、連邦政府機関の一部閉鎖は2019年年明けまで持ち越される事態となっている。

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