「NATOストラトコムCOE」で開かれたセミナーの様子(筆者撮影)

 

 今から27年前の1991年12月25日、ソビエト社会主義共和国連邦はその生涯を終え、15の独立国家に解体された。そのうち最大の領域を受け継ぎ、法的にもソ連の後継国家とされたのが、筆者の専門とするロシア連邦である。

 では残る14カ国とロシアとの関係はどうなったのかと言えば、これは一様ではない。例えばカザフスタンやベラルーシのようにロシアと緊密な関係を維持している国々もあれば、バルト3国(エストニア、ラトヴィア、リトアニア)のようにEU(欧州連合)やNATO(北大西洋条約機構)に加盟して「西側」になってしまった国々もある。あるいはロシアとの関係を維持しつつも、時にはモスクワのコントロール下に置かれないという独自路線の国々(例えばアゼルバイジャンやウズベキスタン)も見られる。

 これまで筆者は主にロシアばかりを歩いてきたが、今年からはこうしたロシア以外の旧ソ連諸国を訪ねてみようと考えた。1年に3カ国ずつ訪問していけば5年で回り切れるだろうという、小泉版「5カ年計画」である。

「計画初年度」の2018年はまずジョージア(グルジア)を訪問し、続いて12月にラトヴィアとエストニアを訪問する機会を得た。ここでその模様を上中下3回に分けてご報告したい。

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