若きリーダーの行く末は——(C)AFP=時事

 

 2019年のアフリカで最も注目される国を1つだけ挙げるとすれば、エチオピア以外にない。急激な民主化、敵対していた隣国エリトリアとの歴史的な関係改善、そして資源依存ではない製造業中心の高度経済成長──。現在のエチオピアは、アフリカの国々がこれまであまり経験したことのない国家大改造の途上にあり、その成否は他のアフリカ諸国にも大きな影響を及ぼす可能性がある。

 アフリカの事情に疎い日本の企業エリートに現在のエチオピアの街並みの写真を見せると、「信じられない」と驚きの声を上げる人が少なくない。1980~90年代に形成された「最貧国エチオピア」のイメージが脳裏に固着しているからだろうか。

 だが、1998年から2017年までの20年間で、日本のGDP(国内総生産)総額は1.2倍になったに過ぎないが、エチオピアのそれは10倍になっているのである(国際通貨基金=IMF=統計、名目値、ドルベース)。

 私たちが気付かない間に、世界は猛烈な勢いで変化している。エチオピアは、その事実を象徴する国の1つと言っても過言ではない。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。