昨年11月「中国国際航空宇宙博覧会」で披露された宇宙ステーション「天宮」の模型(C) AFP=時事

 

 ドナルド・トランプ米大統領が2018年12月18日、国防総省に宇宙軍の創設を命じた。併せてマイク・ペンス米副大統領はフロリダ州のケネディ宇宙センターで、「中国とロシアは宇宙空間における新兵器の配備に取り組んでいる。これらの新しい挑戦に技術革新で対応する必要に迫られた」と強調し、宇宙軍創設の重要性を訴えた。

 ペンス副大統領は、中露が人工衛星を妨害し無力化する電子兵器の開発に力を入れていることを念頭に置いており、この演説の内容は米政府や当局者の幅広い認識であるとみて間違いない。

 ペンス副大統領は10月にも、中国への“宣戦布告”と受け取れる発言をしている。ワシントンD.C.に本部のある保守派シンクタンク「ハドソン研究所」での演説で、「中国は米国の陸、海、空、宇宙における軍事的優位を脅かす能力を第1目標としている」との認識を披露したのだ。今回の演説で強調した「新兵器」は、まさに中国が米軍の「軍事的優位性」を覆しかねないものと言える。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。