日本と天皇
2019年1月12日
泰平の眠りをさます上喜撰、たった四はいで夜もねられず。
19世紀の半ば、4隻の黒船の来航は、日本の歴史を画した「開国」の始まり、その衝撃をあざやか、かつ軽妙に表現した、あまりに有名な狂歌である。「眠り」から覚めて、起き上がって行きついた先は「御一新」、明治維新という政体の変革だった。
「尊皇攘夷」?
その明治維新、いま英語でどう訳するのかは、寡聞にして知らない。しかしかつて、筆者が勉強していたころは、Restorationといっていた。つまり「王政復古」である。その「王政」とは天皇の政権にほかならない。君主はあくまで天皇であって、そのしかるべき実権を徳川将軍から奪回したという観念が、その根底にある。
それと密接に関わるのが「尊王」思想であり、ともかく維新はそこからはじまった。天皇の存在が開国・西洋の衝撃であらためて浮上してきたところが、日本史の宿命というべきだったのか。
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