金正恩党委員長(右)は昨年12月30日、文在寅大統領に親書を送り、南北関係の発展と対話の維持を表明した (C)EPA=時事

 

 一方で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、今年も米国を威嚇することを忘れなかった。

「ただし、米国が世界の面前で交わした自分の約束を守らず、朝鮮人民の忍耐力を見誤り、何かを一方的に強要しようとして、依然として共和国に対する制裁と圧迫を続けるならば、われわれとしてもやむをえず国の自主権と国家の最高利益を守り、朝鮮半島の平和と安定を実現するための新たな道を模索せざるを得なくなるかも知れない」

「新たな道」という「トゲ」で対米牽制

 ここでいう「新たな道」が具体的に何なのかは不明だ。

 しかし、北朝鮮はすでに昨年11月2日、『朝鮮中央通信』で北朝鮮外務省米国研究所のクォン・ジョングン所長の論評を報じ、米国が制裁と圧迫を続けるなら北朝鮮が再び経済建設と核開発を同時に進める「並進路線」に戻る可能性を指摘した。

 また昨年12月16日にも、『朝鮮中央通信』報道を通じて、外務省米国研究所政策研究室長の談話で、米国が制裁・圧迫を続け、人権問題追及などをするなら「朝鮮半島の非核化に向かう道が永遠に閉ざされるような、誰も願わない結果が招かれるかもしれない」と威嚇した。

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