中露両国の本格的な同盟は、日本にとって悪夢(昨年11月、G20首脳会議にて。左=習近平国家主席、右=プーチン大統領)(C)AFP=時事

 

 国際政治で今年の要注意事項は、中国とロシアが「同盟」に突き進むかもしれないことだ。昨年12月に来日したロシアの学者は「2019年に中露が同盟関係を結ぶ可能性がある。クレムリンで検討されているようだ」と話していた。米国から敵視され、厳しい経済制裁を受ける中露は経済、軍事面で連携を一段と強化しており、ロシアのメディアにも同盟論が登場する。仮に中露が同盟を結ぶなら、安倍晋三首相の日露平和条約交渉も吹き飛ぶだろう。

北方領土交渉も吹き飛ぶ

 昨年11月に両国首相定期協議で中国を訪れたロシアのドミートリー・メドベージェフ首相は「中露はかつてなく緊密な関係を築いている」とし、両国関係をさらに格上げする必要を強調した。ソ連崩壊後の中露関係は「建設的パートナー関係」から「戦略パートナー関係」、現在は「包括的戦略パートナー関係」と称されるが、これをさらに引き上げることが、昨年8月モスクワで行われた中露戦略安全保障協議で検討されたという。

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