ワシントンでの協議で、第2回米朝首脳会談の「扉」を開くことができるか(写真は昨年7月の平壌での協議。左・ポンペオ国務長官、右・金英哲統一戦線部長)(C)AFP=時事

 

 今回の会談結果については中朝それぞれが報道したが、重点の置き方や映像の選択に違いが見られた。

 中国側が発表した映像では、習近平総書記(中国国家主席)が話すときに金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がメモを取るシーンが何回も報じられたが、北朝鮮側にはそうした映像はなく、むしろ金党委員長の話に習総書記がうなずき、耳を傾けるようなシーンが報じられた。中国側の報道は、明らかに兄貴格の中国が弟格の北朝鮮に教えを授ける、というニュアンスが込められているように見えた。

 中国側の報道では、習総書記が「中国は朝米両国が互いに歩み寄ることを望む。中国は朝鮮および関係各方面と共に努力し、半島の平和と安定の維持、非核化と地域の長期的な安全・安定の実現のため前向きかつ建設的な役割を果たしていきたい」と述べたとし、朝鮮半島問題における中国の「建設的役割」が強調された。

 さらに中国側報道では、金党委員長が「『二つの百年』(中国共産党創立100年までの小康社会完成と新中国成立100年までの近代的社会主義強国実現)の奮闘目標と中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現することを確信している」と述べ、「朝鮮労働党は朝鮮人民を先導し引き続き(経済建設に専念するという)新戦略路線を強力に実行に移す。また、それに向けた良好な外部環境の構築に尽力していく」と述べたとした。

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