カジノ「PR戦略」だった「大阪万博」の危うさ

執筆者:鷲尾香一2019年1月23日
人工島「夢洲(ゆめしま)」の2025年国際博覧会(万博)会場予定地(手前)(C)時事

 

 2018年も国内では様々な出来事があったが、中でも印象的だったものの1つに、11月末に発表された「2025年の大阪万博」の開催決定がある。大規模万博としては2005年の愛知万博以来20年ぶり、大阪の開催は1970年以来実に半世紀以上の55年ぶりだけに、大きな明るい話題となった。

 当然ながら、関西圏には観光客も含めた大規模な波及効果が見込めるだろうし、だからこその誘致でもあった。しかし、この大阪万博の開催にはそれ以上に、2014年当時、万博誘致の検討に着手した橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事の“深謀遠慮”が隠されている。

“是が非でも”開催したい理由

 大阪万博の開催予定地は、大阪市の西側に造成された人工島「夢洲(ゆめしま)」。大阪府の「2025 日本万国博覧会基本構想案」によれば、夢洲は埋め立て完了後に、390ヘクタールの人工島となる予定である。2025年までに利用可能となる土地のうち約100ヘクタールを万博の会場として想定しており、その約100ヘクタールのうち約60ヘクタールにテーマ館や参加各国のパビリオン、園路等を配置する方針だ。

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