苦しい決断にご本人は意気消沈かもしれないが、米国民はまずは安堵したのでは(C)EPA=時事

 

 昨年12月22日から続く米連邦政府機関の一部閉鎖はすでに1か月を超え、1995年に米国が経験した21日間を抜いて、史上最長となった。

 

 そして1月29日に下院本会議場で行われる予定だった大統領の年頭の「一般教書演説」も延期されるか、中止するかという状況になった。

 しかし政府機関閉鎖から35日目となった1月25日、ドナルド・トランプ大統領は民主党の提案を全面的に受け入れる形で、とりあえず2月15日までの期限付きで政府を再開することを発表した。

 ここまで膠着が続いた理由を理解するためにも、そして今後3週間の与野党の交渉の行方を予想するためにも、これまでの経過を振り返り、横たわる根本的問題を考えたい。

自身初のテレビ演説で……

 2019年最初の連邦職員のサラリー受給日は、政府機関閉鎖から2週間が過ぎた1月11日だったが、直前の8日、普段ならツイッターでの発信を好むトランプ大統領が、自身初のテレビ演説でメキシコ国境に壁をつくる必要性を訴えた。 

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