追加利上げ「断念」を苦渋の表情で発表したFRBのジェローム・パウエル議長(C)AFP=時事

 

 米中貿易戦争に端を発した世界経済の減速懸念が強まっている。

 こうした状況に対して、市場関係者の間では、日本銀行に対して追加の金融緩和を求める声が出始めている。世界でも例のない「異次元」の緩和政策を取り続けている日銀にとって、果たして、これ以上のさらなる追加金融緩和など可能なのだろうか。具体的には、どのような追加緩和策があるというのか――。

米「追加利上げ」を見送り!

 IMF(国際通貨基金)は1月21日、世界経済見通しを発表したが、世界経済の成長率予測を、2018年10月時点の予測から下方修正し、2019年を3.5%、2020年を3.6%とした。

 また、中国国家統計局が同日発表した2018年のGDP(国内総生産)は、実質で前年比6.6%増と、2017年から0.2ポイント下げ、減速が明らかとなった。これは、1990年(3.9%増)以来、28年ぶりの低水準だった。依然として高成長ではあるものの、中国景気が明らかに減速している傾向が浮かび上がったわけだ。

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