グアイド暫定大統領が正式に政権を担うのか?(C)EPA=時事

 

 米国が1月28日、ベネズエラ国営石油「PDVSA」に対し、経済制裁を科すと発表した。『フィナンシャル・タイムズ』(FT)がさっそく、その影響について取りまとめた記事を掲載している(「US squeezes Venezuela: what now for oil?」東京時間2019年1月30日18:15ごろ)。

 だが、「FT」にしては珍しく、調査・分析が不十分な記事だ。

 たとえば、石油業界誌 『S&P Global Platts』が既に報じているように(「US sanctions PDVSA, creating likely major diversions of crude , diluent flow」2019年1月29日掲載)、今回の制裁には、「3カ月間」のベネズエラ原油購入猶予期間が付いているはずだ。なぜか「FT」には明確な記載がない。

 今回の制裁は、「今日から」引き取ってはいけない、というものではない。引き取ってもいいが、購入した原油代金を「PDVSA」に払ってはいけない、となっている。つまり、指定する「blocked account」(おそらく「エスクロー口座=決済資金の保管口座」のこと)に払い込め、という条件付きだ。つまり、原油の代替手当ての必要もあるだろうから、向こう3カ月間は引き取ってもいいが、代金は政府が指定する口座に払い込め、マドゥロ政権の自由にはさせないぞ、というわけだ。

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